わが道
新経営語り帳
NO.1(2002年8月18日新潟日報掲載)

安全な品ぞろえを追求
集大成の新店オープン

 たけうち・ひさし
1937年12月、東京生まれ。
県立高田商業高校卒。
酒類卸問屋勤務を経て、
62年「イチコ」入社。
82年専務から社長に就任。

 【会社概要】
創業 1871年
本社 上越市本町1
資本金 6400万円
売上高 73億9000万円(2002年2月期)
従業員 325人(パート185人含む)
事業内容 食品など販売

 鮮魚商として創業。1950年株式会社に改組。61年食品スーパーに業態変更。76年、2店目として上越市に幸町店オープン。93年、同市内にプロセスセンター(惣菜工場)開設。現在、同市、新井市に計7店のスーパーを構える。


 先月5日、国道8号線と18号線の下源入交差点のところに「直江津店」をオープンしました。ここは今までの私の勉強を集大成してできた店です。
 楽しく、義務や苦行でなく、レジャーとして買い物に来てもらえる店舗にしたいという思いがありました。安全、安心であって品ぞろえの面白さ、食に対しての楽しさを感じてもらえることを一番の主眼にしました。
 天井を高くし通路もゆったりと取り、明るく清潔感あふれる店にしました。バックヤード、つまり惣菜を作ったり、魚や肉の下ごしらえをしたりするところも全部見えるように。お客様に隠し立てをしない。心のごとく、明るくごまかしのない店にしました。
 さらに商品は絶えず変化させます。今のスーパーはともすると、(お客さんに)お仕着せの料理しか作らせない。うちの店ではお客様に豊かな食生活を提案できると思っています。
 会社のモットーは、よい商品を適正な価格でお客様にお届けすることと、安全でごまかしのない商品を扱うことです。口で言うのは簡単ですが、実行するのはものすごく難しい。オーナーがよほどしっかりしないと、その方針が貫けません。
 数年前、中国野菜を入れるかどうかの議論がありました。ほかのスーパーが中国産のネギやキュウリを仕入れて、まだ今ほど厳しくなかったこともあり、産地を示さず安値で売ったのです。しかしうちは売らなかった。品質が悪かったし、産地の状況や作り方が確認できなかったからです。みなさんからは「イチコの野菜は高い」なんてさんざん言われましたが、いまでは、残留農薬の問題が起きています。
 社員には消費者に満足のいく品ぞろえをしようじゃないか、と話しています。品ぞろえをきっちりやって、添加物などをチェックさせていただいて並べています。
 70%売れる商品をA、20%売れるものをB、10%売れるのをCとすると、ほかの多くのスーパーはB以下はカットしてAに絞り込んでいきます。うちではそれは少し違うのではないかと。売れないものだということを、分かって買う喜びもあるわけでしょ。例えばドレッシングでも今の人はいろんな変わったものが欲しい。他の店では定番ばかり。個人でおいしいものを作っている人もいるし、海外に求めるものだってあるでしょう。
 商品担当(の社員)には、店にいて売り込みを待つのでなく、問屋を回るのでなく、全国に行ってデパートや面白い店を回れと言っています。持ち帰って裏書きを見て、私たちの方から「売らせてください」という商品が結構あります。うちで売っている20%ぐらいはそうです。
 確かに、東京の紀伊国屋や神戸のいかり(いずれも高級スーパー)にある品を置いています。しかし私たちは高級スーパーを目指していません。一般庶民が相手です。だいたい高級という言葉は大嫌いです。当たり前の商品が素晴らしいものでないと。いくらいい商品でま売価を高くすれば売れません。やはり適正な価格でないと。消費者は利口ですから。お互いに切磋琢磨しています。
(株式会社一小イチコ代表取締役 竹内寿)


 7月にオープンしたイチコ直江津店。床面積2,000平方bと同社最大の店舗。上越市有数の交通量の多い地点での立地に対応し、約350台の駐車場を確保した。=同市下源入

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